噛み合わせと歯科治療

歯根膜

歯は私たちの身体の中で最も硬い組織と言われています。歯の表面はエナメル質で覆われていますが、エナメル質にはダイヤモンドの次くらいの硬さがあるのだそうです。ですから、なんとなく歯には「しっかり固定されている」ようなイメージがあるかもしれません。しかし、実は歯は歯根膜という繊維性のクッションにつながっており、ちょっと力がかかっただけで簡単に動いてしまいます。よく、虫歯の治療で歯にかぶせものをしたりすることがありますが、治療後に少し違和感を感じても、数日後には感じなくなってしまいます。これは、身体の慣れというだけでなく、歯そのものが動いてしっくりとくる噛み合わせにおさまろうとするからです。うまくおさまってしまえばよいのですが、噛み合わせの変化によってうまれたゆがみが身体の中に吸収されてしまうこともあります。このような噛み合わせの変化によるゆがみは、新たな不調として身体にあらわれる場合もあるので、注意が必要です。

神経線維組織

噛み合わせが悪いと、身体にさまざまな不調を起こすといわれています。これは、噛み合わせが悪いと物を咀嚼する力が落ちるため、消化が悪くなったり、口の中に舌を納めておくスペースが狭くなるために呼吸する力が低下するためと言われます。つまり噛み合わせが悪いと「食べること」と「呼吸すること」という、生きていくための必要不可欠な行為に支障がでてしまうのです。また物を噛むという刺激は、歯を支えている歯根膜という神経線維組織を通じて脳に伝えられます。よい噛み合わせで物を噛むと、よい刺激が脳に伝えられますので、脳の活性化や自律神経やホルモンの分泌などを安定させる効果があります。私たちは一日のうちに何気なく何度も噛むという動作を行っていますが、実は噛むという行為は心身に大きな影響を与えているのです。ともすると噛み合わせの良し悪しは、口腔内だけの問題のように思われがちですが、実は身体全体のバランスをとる重要な問題といえます。

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